高所得者に負担を求める税制改正つづく

  2018年度の与党税制改正大網が先日公表されました。
  所得税改革では誰でも使える基礎控除を10万円増やす。一方で会社員向けの給与所得控除(給与所得を得るための経費)は、年収850万円以下は10万円減らし、850万円を超える人は、控除額を195万円で頭打ちにする。この給与所得控除は平成24年までは給与1,000万円までは給与所得の額に応じ65万円から220万円の控除が出来、1,000万円を超える金額の5%が無限に控除額に加えられました。平成25年から平成27年までの給与所得控除額は1,500万円超の給与は上限が245万円となりました。平成28年の給与所得控除額は、1,200万円超の給与は230万を上限とすることになっていました。平成29年の給与所得控除は1,000万円超の給与は220万円を上限とすることになっていました。高額の年金を得る高齢者の公的年金等控除も減額する。まさに高所得者に負担を求めるものとなっています。近年の相続税改正と同じように「取りやすいところから取る」ような改正でないかと思ってしまいます。
  法人税の改正では賃上げや投資を増やした企業の法人税を減らす仕組みがあがっています。賃上げや生産性向上へのIoTなどの革新的な投資に前向きな企業に法人税減税で好循環を作り出そうとするものだと思います。ただ、赤字経営も多い中小企業はそもそも税金を支払えない所も多いし、この減税の恩典も受けられないところが多いでしょう。
  私どもは税制の改正の趣旨に疑問を持ちながらも法制化されてしまった税制は充分にその内容を熟知し、可能な限りの節税をする工夫をしています。
  何なりとご相談ください。充分にお話をお伺いし、一緒に考えさせていただきます。

 税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘
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