農林水産・総務の両省で耕作放棄地の固定資産税を1.8倍に引き上げるという検討に入ったそうである。税金が安いから放棄地のままで農地を所有する持ち主が多く、やる気のある農家に農地が渡らないという理由だそうです。
税金が安いから放棄地になっていると言えるのでしょうか。少し田舎に行けば買ってくれる人がいるのならいくらでも譲りたい、農地として利用してくれる人がいればタダでも使ってほしい、歳をとったら草をとったり雑草の生い茂ったりしたものを切ったりする管理が大変、と嘆いている人は多いのです。
戦後、農業が大変だったので家の農業を継がずに都会へ働きに出て行った人も多く、また家の農業を継いだ人も、その子供は継いでくれないということで耕作放棄地になってしまっている所が多いと思います。
農業をしてくれる人がいないのです。この70年間、農業が他の産業より魅力のあるものにならなかったから耕作放棄地が出来てしまったのです。
税金が安いので耕作放棄地のままになっている所などは、日本の農地で耕作できていない所のごくごく一部ではないでしょうか。
ところが放棄地を巡っては固定資産税に限らず、相続税が安いことも塩漬けの一因だとして相続税の課税強化も今後の課題になるとの見方もあるそうです。
実情をもっと知ってほしいと嘆いても仕方がないですね。新しい税制が出来るのであれば、その税金負担を少しでも少なくすることを考えるのが私ども会計事務所の役割であると考えています。何なりとご相談ください。ご一緒に考えていきましょう。
税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘