残される家族への想いを遺言書へ

    子供たちが親の財産をめぐって対立し、その後、親戚付き合いが出来なくなってしまうケースがよく見られます。争いは財産が少なくても起こり得るものです。こうした遺産分割をめぐる争いを防止するために、遺言書を作成することが大事だと思っています。
 遺産は法律で定められた法定割合で相続するように規定されていますが、遺言ではこの法定相続割合には従わず、例えば長男にだけ多くの財産を引き継ぐことなども出来ます。それぞれの家でそれぞれの家族関係があると思います。法定割合での財産の引継ぎが必ずしも平等でない場合も多いと思います。遺言者は自分のおかれた家族関係をよく頭に入れて、その家族関係にあった相続の仕方を遺言にしておくことが大事です。
 付言事項としてこの遺言書を書いた主旨、思いを記載しておくことをお勧めします。
付言事項には法的効力はありませんが、遺言書を読んだ相続人の方々を慌てさせず、相続人同士の対立を予防する効果があります。過去に遺言そしてその相続に関わらせていただいた相続人の方から「遺産の分割には色々と不満の思いもありましたが、付言に書かれていた父の想いを見て納得をさせてもらいました」とお聞きしたこともあります。
 私どもは相続税の負担を最少にすることはもちろん、遺言のこと、分割のこと、亡くなられた後の家族との繋がり、その家族への想いを大事にするお手伝いが出来ればと思っています。何なりとご相談ください。


税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘
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