郷里にある先祖代々の墓を自身の生活圏に移す「改葬」がじわじわと広がっているそうです。
先日、相続対策で相談にきてくださった方が先祖のお墓の話になり、地元に住む姉に墓を管理してもらっているが、その姉も高齢になっているし姉の子供は東京に出ていってしまっているので将来が心配である。自分も今は年に一回、お盆の前後に墓参りに帰郷しているが歳をとったら遠い郷里まで行けなくなる。自分は郷里で育ったので懐かしいという地でもあるので年一回の墓参りも出来ているが、子供の代、孫の代となれば先祖の墓があるというだけで遠い地にまで時間とお金をかけて墓参りに行ってくれるだろうか心配しているという話をお聞きしました。
遠い田舎を離れ、都市部で働き住むようになった多くの人達の心配事なのです。
都市部へ人が流出した後も残った人たちで墓を守ってきた田舎で、少子高齢化が進み墓の維持が難しくなっているのが実状なのです。
自分が亡くなった後、自分のことを含め先祖の供養・祭祀を子供たちにしてもらわなければならない。その子供たちが先祖の墓のことで大きな負担をしたり、悩んだりしないでもすむように自分の代で先祖代々の墓を自分たちの住んでいる都市の近い所に「改葬」をしておくことは相続対策の大事な一つだと思います。
「改葬」には大きな負担も伴いますが墓地等は相続財産に入れないでいいことになっていますので、その点でも大事な相続対策です。
税金対策はもちろんのこと、生活に関連してのお悩み、なんなりとご相談ください。一緒に考えさせていただきます。
税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘