預金引き出し 認知症への備えは

 人生100年時代。高齢化がどんどん進んでいます。
高齢化社会、長生きが出来るのは嬉しいことですが、その中には” 認知症 “になってしまう人も多いそうです。認知症の症状が現れると、自分の財産の処分が何も出来なくなり困ることになります。預貯金の引出しなど、昔は簡単に家族にしてもらえたことも、今は出来なくなっていることが多いです。原則として配偶者でも子供でも本人に認知症が出た後は代理出来ないのです。
 本来想定されるのは、成年後見制度の利用だと思います。家庭裁判所に選ばれた後見人が代理で出来るのです。しかし手続きの煩雑さなどからなかなか利用されていません。このような状況を鑑み、金融庁からの要請で今年3月全国銀行協会は法的な代理権のない親族からの引出し依頼について「(医療費の支払いなど)本人の利益に適合することが明らかである場合に限り、依頼に応じることが考えられる」との指針を示しました。ただし「極めて限定的な対応」とされ、成年後見制度の利用を求めることが基本になっているようです。
 最近、金融機関の新たなサービスとして代理人を先に指定できるサービスを始めたところもあります。この「予約型代理人」サービスは顧客が認知・判断能力の低下に備え、あらかじめ金融取引の代理人を指定できるものです。代理人取引が可能になる時期は金融取引の判断が本人では難しくなった後からとなっています。そのため、専用の診断書が準備されており病名の他「金融取引の判断能力」について医師の診断項目を設けてあります。
 高齢になっていく本人がこれからの自分のことを心配されることもあるし、家族が高齢になっていくお父様やお母様のことを心配されていることもあると思います。まずはご家族で話し合いを充分にされることが大事だと思います。
 私どもにご相談くださるようでしたら、充分にお話をお聞きし、ご相談くださる方の想いに最も合う方法を一緒に考えさせていただきます。民法上の「成年後見人制度」にもご本人の判断能力があるうちに将来に備えてあらかじめご本人が後見人を決めておく「任意後見」という制度もあります。「任意後見」に私どもをご指定いただくことも可能です。色々と相談にのらせていただきます。何でもご相談ください。


税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘
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