遺言書作成の相談

    最近、遺言の相談を受けることが多いです。自分の財産を将来次の世代へどう引き継いでゆくか、また自分の想いをどうすれば上手く実現できるか等、遺言書に関係する相談が色々とあります。
 遺言書については2018年7月に改正された民法の遺言制度の改正で作成方法も一部緩やかになったりで注目されていると思います。それでも色々と法的な規制も多く難しく思われる方も多いです。 
 遺言書で誰に何をどのくらい渡すのかを指定することができます。お世話になった人など、法定相続人でない人に財産を譲ることも可能です。ただ、それを完全に実現出来るとは限りません。一定の範囲の法定相続人には遺産を最低限取得できる権利が認められています。この権利のことを遺留分と言います。この遺留分も民法で決められていますが、各々の相続分の2分の1が権利として決められています(兄弟姉妹には遺留分なし)。この遺留分の侵害については侵害を受けた人から相続から1年以内に遺留分侵害額の請求がされる心配があるということです。
 遺言書には一般的に活用されるものとして、遺言者が手書きで作成する自筆証書遺言と公証人役場で公証人に作成してもらう公正証書遺言があります。自筆証書遺言は自筆で書くだけなので簡単ではありますが、法律要件等で後々トラブルになりやすいと言われています。公正証書遺言は公証人が作成するものですから、その不安は解消されます。相続発生時に自筆証書遺言とは違い公正証書遺言は家庭裁判所に持ち込む” 検認 “という作業もいりません。
 私どもで遺言の相談を受け遺言書作成となれば、自筆証書遺言でも法律上問題のないように充分指導させていただいていますが、公正証書遺言を一緒に考えさせていただくことも多いです。遺言の内容が決まれば、私どもで必要なことを下書きし、それを公証人役場に持ち込み、公証人役場でそれを遺言書の形にしてもらい、日時を決めて遺言する方と一緒に公証人役場に行き(証人2人は私ども事務所から)公証人が読み上げることが自分の思いどおりかを遺言される方に確認してもらって公正証書遺言を完成します。
 遺言書がすべての相続人が納得できるような内容ではないケースもありました。それでそのように分割する理由や残される家族への想いを「付言」として記すようにアドバイスをしました。その相続が発生後、相続人の一人から「分割の内容には正直に言って不満がありました。でも父の想いを知ることが出来てよかったです。」という話を聞きました。
 私どもの事務所では相続税対策はもちろんのこと、残された親族間でいわゆる” 争族 “の問題を生じさせないための提案も色々とさせていただいています。何でもご相談ください。

税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘
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