地積規模の大きな宅地の評価

    相続税申告や贈与税申告での土地の評価については色々な特例があります。それらを上手く活用して評価額を下げて節税をしていくことが大事です。
 一定以上の面積を持つ広い土地は「地積規模の大きな宅地の評価」という特例で評価額を大幅に引き下げることが出来ることがあります。平成29年まであった「広大地評価」という制度が廃止されて平成30年からこの制度が使えるようになりました。
 この「地積規模の大きな宅地の評価」の特例は広すぎる土地の”売りにくさ”を考慮し、減額を認めるものと思います。一般的に100㎡~200㎡程度の土地であれば自宅の敷地として買い手がつきやすいのですが都市部で500㎡以上の土地となると土地開発業者以外は相手にしてくれません。開発業者は広い土地を分割して売ることになりますが、分割した土地の間に道路も必要となり、売却できない部分もできるので、広い土地は評価が下がることになります。
 この特例を活用するには次の3要件が必要です。
①規模要件:地積が500㎡(三大都市圏以外は1000㎡)以上であること
②「普通住宅地区」及び「普通商業・併用住宅地区」に所在すること(一定の地区除く)
③指定容積率が400(東京23区は300)%未満の地域であること
上記②は毎年7月初めに国税庁から公表される路線価図を見れば調べることが出来ます。③は土地所在の市区町村役場の都市計画課か建築指導課に聞けば教えてくれます。市区町村によってはインターネットで調べることが出来る場合があります。「市町村名 容積率 マップ」と検索してみましょう。
 自分の土地が上記の①②③の3要件を満たす土地であることがわかれば、ややこしい計算式ではありますが国税庁から示された「規模格差補正率」の計算式にもとづいて減額の計算をすることになります。
 私どもの事務所では、土地の評価でも減額できる方法はないかを色々と考え、多くの情報を集め現地にも何度も足を運び、最大限の評価減を追い求め、最大限の節税をするようにしています。何でもご相談ください。


税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘
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