自分の思いを遺言書に

 先日、90歳になられる御婦人から、自分には実子がなく、30年前に養子にした息子がいるのだが、自分が亡くなった後にも家に戻ってきてくれそうにない。自分が亡くなったらこんな家は売ってしまうと言う。自分は家を守って先祖の祭りごとをしていって欲しいと思い養子にし、養育してきたのに上手くいきません。
 自分の亡くなった後、先祖の墓を誰が守ってくれるのかと悩んでいたら、養子になって、自分の家、先祖を守ってくれるという方をご紹介いただいたので、養子として親子2人を新しく迎えることになりました。家を守り、先祖の祭りごとをしてくれる養子に財産を残してやりたい。というような意向で訪ねてこられました。
 養子さんが3人になられます。養子さんは3人とも平等に相続権を持っておられるので、養母が亡くなられた後3人で遺産分割の協議をすることは大変なことですし、家を守り、先祖の祭りごとをしてくれる養子さんに財産の多くを、とのことであれば遺言書を残しておくことが大事です。また、法律要件等で争いを避けるためにも公正証書遺言にしておく方がいいですね。また、その遺言書にはどの財産を誰に相続するかだけでなく、” 付言 “として、そのように財産を相続してもらうようになった理由等、遺言者の思いをきちんと記しておくことにしましょう。と指導をさせていただきました。
 遺言書を残す人の状況はそれぞれで違いますが、遺言者が自分の思いをきちんと実現出来るように、またその思いが残された家族に伝わるように、私共もお手伝いができればと思っています。何なりとご相談ください。


税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘
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