土地相続 未登記に過料 国に所有権移転 制度化

 所有権が不明の土地を増やさないため、相続や住所変更、結婚などで氏名を変更した時に土地の登記を義務付ける法改正案を法制審議会が法務省に答申したそうです。法務省は民法や不動産登記法の改正案をまとめ今国会で成立される予定とのことです。
 いまは相続が発生しても登記は義務ではなく、土地の価値が低かったり手続きが面倒と感じたりした場合は放置する例もあり、それが所有者不明の土地となり、その所有者不明の土地は全国の2割にもなっているそうです。
 その対策として、答申では土地を所有者から取得した相続人に取得を知った日(通常は被相続人の死亡の日)から3年以内の相続登記の申請を義務づけ、違反への罰則として10万円以下の過料を定め、住所変更や氏名変更の場合も2年以内に申請しなければ5万円以下の過料とするようです。
 相続人が取得した土地を手放せる制度も創設することになっています。建物や土壌汚染がなく担保が設定されていないなどの要件を満たし、審査手数料と10年分の管理費相当額を納付すれば相続を放棄し所有権を国のものとすることが出来るとされています。これも土地の相続人にとっては大変なことですね。
 遠い田舎に郷里(玄界灘の孤島壱岐の島…長崎県壱岐市)に田、畑、山林を所有する一人として何か寂しい気持ちも残ってしまいます。相続による所有権登記の義務化は当然と思いながら、相続しても自分が有効に活用できないので手放して国に納めるのに10年分の管理料を納めないと、というのはどうかなぁ…と思ってしまいます。
 相続というのは自分の両親や先祖が作ってくれた有形の財産だけでなく有形・無形の歴史・文化を引き継いでいくものだと思います。
 そのような想いも持ちながら、国の制度、法律も充分に知った上でそれを活用しながら税金も最大限に節税して有形・無形財産の引き継ぎをする相続のお手伝いをさせていただくことに喜びを感じています。何でもご相談ください。


税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘
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