「先祖代々の墓」の霊をお守りするため

” 不便な地でも帰りたい “遠い田舎の地に故郷を持つ多くの方が思われていることではないでしょうか。私は長崎県の壱岐(玄界難の孤島壱岐島)の出身です。関東の大学を出たあと東京、大阪と会社勤めをし36年前に奈良の地で税理士事務所を持つことになりました。
 税理士業務では相続税関係の仕事でも事業所得関係の仕事でも、それぞれの方の財産状況、事業状況を全て教えてもらわないと本当にその方のためになる最大限の節税をお手伝いすることはできません。ところが依頼して下さる方から「どこの馬の骨かわからないような人、何かまずいことがあるとすぐに事務所をたたんで逃げて郷里へ帰ってしまうことのできる人に仕事は頼めない。自分の命の次に大事な財産をさらけだすのだよ」という趣旨のことを何度も聞かされました。
 この36年間、奈良の人になることを心がけてきました。奈良の活動に積極的に参加する。奈良の地の方々との付合いを大事にする。奈良に家を持つ、事務所を持つ、奈良の人の気持ちや生き方を学び大事にする。
 一方、郷里壱岐も大事にしたい気持ちから、現在も本籍は壱岐に残しています。私の思いを大事に思って長男も結婚した時、本籍を壱岐にしてくれました。そのため孫2人も壱岐に本籍をおいてくれています。
 私が野口家の長男として引き継いだ野口家先祖の墓をどうするかが、私の頭の中で長い間思いめぐり結論を出せないままになっていました。
 奈良の人となると決めた以上奈良の地で次の世も送るのだ、その思いは今も変わらない。野口家先祖の墓は私が守るしか方法が見いだせない。その思いで奈良の地で野口家先祖の墓を創っています。8月には御先祖様のおん魂を奈良の新しい墓にお連れしたいと準備しています。
 私の兄弟や壱岐にいる従兄弟等には了解を得たのですが、福岡に住む93才になる叔父から手紙がきて、このように歴史のある稀な名家ともいえる野口家の歴史が壱岐から消えてしまうのが淋しい、と思いを切々と訴えてこられました。
 私が壱岐に帰れない以上、野口家先祖の霊を守ってくれる人はいない。それが「 奈良の地で野口家先祖の霊を次の代、その次の代と守り続けてもらう 」という私の決断になりました。壱岐には義務的感覚でなく、先祖の地として子供、孫、次の代、次の代にも楽しく訪れてほしいと思っています。
 遠くに故郷を持っている人だけでなく、相続のこと、家族のこと、その他いろいろな悩みを持たれている方もあると思います。一緒に考えさせていただきます。税金の相談はもちろん、何でもご相談ください。

税理士法人野口会計事務所 所長 野口泰弘

タイトルとURLをコピーしました